博士号って何歳で取れる?大学院ストレート修了時の年齢【入学に制限はない】

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大学院の修士課程や博士課程を修了した人は、何歳になるのでしょうか?

  • 大学院って何年通うのか?
  • ストレートで修了(卒業)したら何歳?
  • 博士号を取るまでに平均で何年かかる?
  • 入学時の年齢制限や、在籍可能年数は?

このような情報を、まとめました。

結論から言うと、ストレートで博士課程を修了したときの年齢は、27歳。しかし、最短期間で博士号を取得できないケースも少なくありません。

今回の記事では、大学院生の年齢事情について、解説していきます。

大学院って何年通うの?

まず、大学院に通う年数について見ていきましょう。

大学院には「修士課程」と「博士課程」があります。(それぞれ、博士前期課程、博士後期課程と呼ぶこともあります。)

それぞれ、何年通うのでしょうか?

修士課程は2年

修士課程(博士前期課程)の標準修業年限は、2年間

2年間の間に所定の単位を取り、修士論文を提出し、修了となります。

大学の学部生と比較すると必要単位数は少なくなりますが、その代わり研究室での研究活動が長くなってきます。

博士課程は3年

博士課程(博士後期課程)の標準修業年限は、3年間。(医学部・薬学部・歯学部・獣医学部などは4年間。)

3年間のうちのほとんどを専門的な研究活動に費やします。博士号を取得するには、専門的で新規性のある博士論文を提出し、審査に合格する必要があります。さらに、査読付きの学術誌等への論文掲載などが要件に含まれていることも少なくありません。巷では「卒論は参加賞、修論は努力賞、本当の論文は博論から」と言われることもある通り、博士論文を仕上げるのは容易ではありません…。もちろん、苦労した分、成長も大きいと言えますね。

そんな中、実験や分析が想定通りに進まない…査読付き論文への掲載が遅れた…など、修了までのスケジュールが伸びてしまう博士学生も少なくありません。博士課程修了までに4~6年かかる人も一定数います。この点については、後ほどまた触れます。

博士課程をストレートで修了(卒業)したら何歳?

高校・大学・大学院をすべてストレートで修了(卒業)した場合、何歳になるでしょうか?

  • 大学1年:19歳
  • 大学4年(卒業):22歳
  • 修士1年:23歳
  • 修士2年(修了):24歳
  • 博士1年:25歳
  • 博士2年:26歳
  • 博士3年(修了):27歳

上記のように、大学院の博士課程を修了したときの年齢は27歳となります。

繰り返しますが、上記年齢は「留年、浪人、海外留学、休学」などがなく、ストレートに進学した場合です。

ちなみに、医学部・薬学部・歯学部・獣医学部などの6年制大学+4年間の博士課程を修了した場合は、1年長くて28歳で修了となります。

博士号を取るまで…平均で何年かかる?

博士号を取るまでの年数は、平均で何年でしょうか?

文部科学省の「博士課程の専攻分野別 入学年度別 卒業者数」というデータを参照します。

令和3年度の博士課程修了者は全体で10,402名。そのうち3年間で修了した人は4,109名。割合は「39.5%」でした。ただし、一般的には文系博士の方が在籍期間が長い傾向があります。そこで、理学・工学・農学の区分にフォーカスして、より詳しく見てみましょう。

理工農の区分を合わせると博士課程修了者は5,134名。そのうち3年間で修了した人は2,324名。割合は「45.3%」。約半数の博士学生がストレートに博士課程を修了していることが読み取れます。

そして、1年超過の4年間で修了した人は1,618名(31.5%)。2年超過の5年間で修了した人は449名(8.7%)。3年超過の6年間で修了した人は311名(6.1%)。事情があって4年超過し、7年間で修了した人は212名(4.1%)。

平均修了年数を計算すると、「3.71年」となりました。半数近くは3年間で修了し、7~8割の博士学生は1年超過の4年間で博士課程を修了しています。

日本の博士号は最短何歳でとれる?

ここで、豆知識・雑学を紹介します。

修士課程は2年で、博士課程は3年、と書いてきましたが、日本でもいわゆる「飛び級制度」は存在しています。

あくまで例外的ですが、「特に優れた研究業績を上げた場合」は、修士課程は最短1年、博士課程は最短2年で修了することができます。(※研究業績のある社会人が、最短1年で博士号を取得できるシステムも存在しています。)

なお、一部の大学では17歳で飛び入学することができ、3年間で学士を取得した時点で20歳。修士1年、博士2年で、最短23歳という年齢で博士号を取得可能となっています。(参考:文部科学省「飛び入学について」、千葉大学「飛び入学について」)

ただし、これはあくまでも限られた大学における、例外的な制度上のこと。実際には非現実的…と言わざるを得ません。

大学院には何年いられる?在籍可能期間とは

修了年数が伸びてしまった大学院生は、何年間、在籍していられるのでしょうか?

  • 修士課程:最長4年間
  • 博士課程:最長6年間

多くの大学院では、上記のような最大在籍可能期間が定められています。

なお、休学期間は在籍期間にカウントされないケースもあります。例えば、博士課程の途中で1年間海外留学した場合は、復学後の期間も合わせて合計7年間在籍することもできます。

逆に、博士課程の在籍可能年数が5年間しかない大学院もあり、細かなルールが違うので要注意です。

大学院の入学に年齢制限はない

一般的には、大学院の入学に年齢制限はありません

学士号を持っていれば何歳からでも入学でき、30~40代の社会人が大学院へ学びに行くケースも少なくありません。

「何歳まで」という年齢の上限もなく、中には定年後に大学院に入学する人もいます。

博士課程修了の年齢で、就活に影響は?

博士課程の修了が遅れてしまうと、就活に影響が出る可能性もあります。

一般企業の場合、学士や修士などの若手を社内トレーニングにて人材育成していくことが多く、修了時に30歳近くになっている博士は、年齢がマイナスに働く場合があります。

ただし、近年は知のプロフェッショナルである博士号取得者を積極的に採用する企業の動きが増えています。年齢をデメリットと捉えることなく、高度な専門性・研究能力・課題解決能力などの実力をアピールすることで、活躍の場を自ら切り開いていくことができるでしょう。

【まとめ】博士課程修了時の年齢は27歳!早めのキャリア設計を

今回の記事では、博士号取得は何歳なのか…「大学院生と年齢」について解説してきました。

要点をまとめると、以下の通り。

  • 修士課程は2年間
  • 博士課程は3年間
  • ストレートで博士号を取得すると27歳
  • 博士課程(理学)の平均修了年数は3.64年
  • 何歳から何歳までという年齢制限はない

博士課程修了時には30歳前後という年齢になります。博士号取得後に自分がどこで何をしたいのか…早めのキャリア設計をしておくのがおすすめです。

進路を考える暇もないほど忙しい博士生活を送る人は多いのですが、いつの間にか年齢を重ね、社会に出るのが遅くなることを悩む人もいます。

博士の高度な専門性を活かすためにも、早めにキャリアプランを考えておきましょう。「博士情報エンジンwakate」では、博士向けのキャリアセミナーなどを開催しています。参考にしてみましょう。

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