【早期選考アリ】博士学生の就活はいつから?スケジュールと事前準備

キャリア

大学院・博士課程において、就職活動はいつから始めればいいのか、疑問に思うことはありませんか?

  • 博士学生の就活はいつから?
  • 学部・修士とは違う?
  • 博士早期選考とは?
  • エントリースケジュールと就活準備の方法は?

このような情報を、記事にまとめました。

結論から言うと、博士学生の就活時期は、学部・修士のスケジュールとは異なります。

博士早期選考を実施する企業が増えており、一部では「博士2年目の夏前」からエントリー開始となるケースもあります

研究活動に忙しい博士学生ですが、事前に就活スケジュールを把握しておくことで、タイミングを逃すことなく準備を進めていきましょう。

学部・修士の就活はいつから?

まずは、学部・修士での就活についてです。

一般的な新卒採用は、以下のようなスケジュールで進行します。

  • 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降:エントリー開始(広報活動開始)
  • 卒業・修了年度の6月1日~:採用選考活動開始
  • 卒業・修了年度の10月1日~:正式な内定日

学部3年生あるいは修士1年生の夏ごろから、少しずつ就活を意識して準備を始め、3月のエントリーに備えるケースが多いです。

政府から経済団体へ「就職・採用活動日程に関する考え方」

上記の採用スケジュールは、政府の関係省庁連絡会議による「就職・採用活動日程に関する考え方」をもとに、企業が従っている形になります。

学生が学業に専念できるよう、新卒者の就活スケジュールをある程度統一させたわけです。

ただし、対象となっているのは、「大学/大学院修士課程/短期大学/高等専門学校」の卒業・修了予定者。博士後期課程の学生は対象外となっているのです。

博士学生の就活はいつから始まる?

博士学生の就職活動は、博士2年目の夏にスタートすることが多いです。(4年制の場合は、博士3年目になります。)

上述の通り、博士学生の採用選考は政府が定めたスケジュールに従う必要はありません。修了前年(D2)の3月よりも前倒しで、「博士早期選考」のエントリーが開始されます。

博士早期選考とは?

博士人材を積極的に求めている企業においては、近年、博士早期選考を行っています。

当然のことですが、博士学生しか参加しませんので、倍率が低く、説明会や面接の予約も取りやすいのがメリットです。

また、博士学生のみを対象としているため研究職など専門性を求める領域での募集が多いです。

開始時期は、年によって、また会社によって大きくばらつきがありますが、早い会社では博士2年目の6月ごろから、エントリーが始まります。

もうひとつの特徴として、書類選考から面接、内定までの選考スケジュールが短く、短期集中型になっています。

エントリー開始から締切まで、1か月しかない場合もあり、また、業界・会社によってスケジュールが大きく異なるので、注意が必要です。

学会参加や研究活動などで忙しくしていると、「気が付いたら志望企業の博士採用が終わっていた…」というケースも少なくありません。

博士課程2年目の夏には、就活が本格的に始まる」という実態を把握し、早い時期から就職活動の準備を進めましょう。

博士早期選考のスケジュールが前倒し傾向に

さらに注意しておくべきポイントとして、この「博士早期選考」のスケジュールは、毎年のように前倒しされています

企業によって異なりますので、あくまで目安ですが、開始時期の変遷を紹介しておきます。

  • 2019年採用:11月~エントリー
  • 2020年採用:11月~エントリー
  • 2021年採用:10月~エントリー
  • 2022年採用:9月~エントリー
  • 2023年採用:8月~エントリー
  • 2024年採用:6月~エントリー

博士学生の採用に積極的な企業の博士採用時期は、上記のように早まってきています。

特に大手の製薬会社、化学メーカーなどが競い合うようにスケジュールを前倒しにしているようです。

一部だけ具体的な企業名を挙げると、2024年採用では、「アステラス製薬」は6月、「大塚製薬」は7月にエントリーを始めています。

博士学生の就活…どんな準備から始める?

例年早まっている博士学生の就活スケジュールですが、どんな準備から始めればよいのでしょうか。

乗り遅れないためには、事前の準備が重要です。

自己分析、業界研究

自己分析とは、自分がどのような強みを持ち、どのような経験をしてきたかを「棚卸し」すること。言語化することで、エントリーシート・面接でしっかりとアピールする事ができます。

また、業界研究を深めておくことで、エントリー企業を絞るとともに、面接で志望動機を伝える際にも整理しやすくなるでしょう。

博士学生を対象としたセミナー等で準備を進めると効率的です。「博士情報エンジンwakate」でも、自己アピール強化やエントリーシートの書き方などのセミナーが定期的に開催されています。

WEBテスト(SPI対策)

博士選考においても、WEBテストを実施する企業が多いです。

SPIと呼ばれるテストをオンラインで行うのですが、時事問題なども含まれるため、早いうちに出題傾向に慣れておくといいでしょう。

OB/OG訪問

実際に企業で働いている先輩博士から話を聞くと、より働くイメージが鮮明になり、企業での研究の進め方などの理解が深まるのでお勧めです。OB/OG訪問は博士学生の就職活動でも有用です。博士号取得者のOB/OGの話を聞ける機会がありましたら積極的に参加しましょう。

業界理解、企業理解を深めることで、面接での受け答えにも深みを出すことができます。

インターンシップ

企業によっては、博士学生向けのインターンシップも実施しています。社員と直接交流しながら、実際の業務を体験したり、その会社の雰囲気を感じられる貴重な機会です。

また、インターンシップの選考は、本番の就職活動の事前練習になる側面もあります。採用面接には独特の緊張感がありますので、ある程度の慣れも重要になります。

研究概要の作成

博士課程の就活・選考においては、エントリーシートと同様に「研究概要」も重視されます。

A4用紙1枚~2枚程度で研究概要をまとめ、提出することが求められます。過去にどのような研究をしてきたのか、なるべく具体的に、かつ分かり易くまとめることができると、大きなアピールとなります。

以上の準備を、できれば博士2年目の夏までに済ませておくとスムーズに就活に挑むことができます

博士早期採用の最新情報はどこから手に入れる?

博士早期採用の情報は、一般的な「新卒就活サイト」には掲載されません。

主に各企業の採用サイトに「博士早期選考のエントリーを開始しました」といった案内が掲載されるのですが、一般的な新卒就活サイトは学部生や修士生をメインターゲットとしているため、そうしたサイトを通して広報されることはほとんどありません。

就活情報を見逃さないためには、以下のような対策があります。

  1. 応募先候補企業をリストアップする
  2. 前年度の募集開始時期をできる限り把握する
  3. 採用ページを定期的にチェックする
  4. 採用ページにプレエントリー機能(マイページ)があれば登録する
  5. 博士学生と企業の交流会や博士向け就活セミナーなどで情報収集する

博士学生の就活では、情報は自分から探しに行く必要があります。

前述の通り、エントリー開始から締め切りまで「たった1か月」というケースもありますので要注意です。

博士情報エンジンwakate」では、博士学生の就職活動を専門的に支援しています。最新の就活スケジュールを把握するためにもセミナー情報などを確認してみましょう。

博士課程の就活、注意点は?

博士学生の就活は、「業界によっては博士2年目の夏前に始まる」と紹介してきましたが、それ以外にも考慮すべきポイントはたくさんあります。

  • 研究が順調に進捗しているか
  • 進路を選ぶ上での判断基準を明確に持てているか
  • 博士向けの採用情報をしっかりと得られるか
  • 研究活動と就職活動を両立できるか
  • 指導教員の就職活動への理解があるか
  • 博士課程を修了する目途が立っているか

博士学生は当然ながらしっかりと研究に取り組む必要があります。就職活動で研究がおろそかになると、学位取得が難しくなりかねません。さらに、就活においても研究者として十分な評価を得られません。

その一方で、研究だけに集中していると、いつの間にか博士早期選考が始まっていた…ということもあります。気が付いたら「博士採用が全て終わっていた」という事態にもなりかねません。

キャリアプランを考え、選択するのは自分です。自ら積極的に情報を仕入れ、研究と就活のバランスをとれるようにしましょう。

なお、博士学生の就活失敗例については、「博士の就活失敗例5つ&内定獲得に必要なたった1つの対策」という記事も参考になります。

【まとめ】博士課程では、D2の春~夏に就活が始まる

今回の記事では、博士学生の就活がいつから始まるのか、博士早期選考のスケジュールや注意点について解説してきました。

要点をまとめると、以下の通り。

  • 博士の選考時期は学部、修士とは大きく異なる
  • 博士課程2年目の夏には博士早期選考が開始する業界も多い
  • 博士早期選考が始まる前に就活の準備をしておくべき
  • 博士向け採用情報は自分から積極的に取りに行く必要がある

博士課程は就活がなくても忙しいものですが、企業への就職を希望する場合は、D2の夏前から本格的に就活を始めなければいけません。

博士号取得者を即戦力として採用したい民間企業は増加傾向にあります。早いうちから就活スケジュールを理解し、準備を進めておくことで、心と時間の両面で余裕を持てることでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました