就活マッチングイベントとは?博士が参加するメリットと内定獲得のヒント

キャリア

博士の就職活動における「就活マッチングイベント」はご存じでしょうか?

博士向け就活マッチングイベント(交流会や座談会とも呼ばれる)では、高い専門性や、高度なトランスファラブルスキルを持つ博士学生を求める企業が「採用を前提に」参加します。

研究内容や専門性、スキルなどを採用担当者に直接アピールすることで、その後の就職活動を有利に進められる可能性があり、また、内定に直結するケースもあります。

今回の記事では、博士学生が就活マッチングイベントに参加するメリットと、イベントを最大限活用して内定を獲得するためのヒントについて解説します。

博士向け就活マッチングイベントとは?

就活マッチングイベントは、求職者(博士学生)と求人企業が相互の理解を深めるだけでなく、採用を前提としたマッチングを目的としているのが特徴です。

「マッチングイベント」ではなく、「博士と企業の交流会」「博士と企業の座談会」というイベント名の場合もあります。

イベント当日はどんなことをする?

博士向けマッチングイベントは、企業の採用担当者と学生が直接対話する機会があるのが特徴的です。

マッチングイベント主催者によって当日の流れは変わりますが、大きく分けて、以下3つのセッションがあります。

  • 企業側のPRセッション:参加企業が博士に向けてプレゼンする(研究内容、ビジョン、期待する人物像など)
  • 学生側のPRセッション:A0サイズのポスター発表、スライド発表、オンラインプレゼンなどで学生が企業に向けて自己PRする
  • 個別の交流会:各企業がブースを構え、博士と個別面談をしたり、学生に採用担当者が声をかけたりする

博士向け就活マッチングイベントと一般的な就活セミナーの違い

博士向け就活マッチングイベントと、主に学部生・修士生を対象とした一般的な合同就活セミナーの違いを、簡易的な表で比較してみましょう。

項目博士向けマッチングイベント一般的な合同就活セミナー
形式双方向のマッチング企業からの情報提供が中心
参加企業数比較的少数(質重視)多数(量重視)
個別面談一社あたり15〜30分程度企業説明のみで個別面談は少ない
選考への影響直接、採用に繋がることがある情報収集が主目的
対象者博士学生学部生や修士生が中心

上記のように、就活マッチングイベントでは、企業側も「博士学生を採用するつもり」で参加しています

特に博士の就活において、マッチングイベントがターニングポイントになる人は少なくありません。

博士学生が就活マッチングイベントに参加するメリット

就活マッチングイベントでは、自分の研究内容や専門性を企業の採用担当者に直接アピールできるのがメリットです。通常のエントリーシートでは伝わりにくい専門性を、直接、面と向かってアピールできるため、他の応募者と差別化を図ることが可能です。

また、博士学生側が企業の事業内容や将来性、および社風などを深く理解できるのも利点でしょう。実は、博士向けマッチングイベントの最大のメリットは「自分が考えていなかった企業との思わぬ出会い」でもあります。企業の研究活動は、すべてが公式サイトに書かれているわけではなく、秘匿性が高い内部の情報もあります。公にはしていない研究内容と、博士の研究内容がマッチしている場合、企業側がコッソリと声をかけてくれるケースがあるのです。交流会ならではの予期せぬマッチングが、キャリアを決める重要なきっかけになるかもしれません。

そして、博士学生にとって最も直接的なメリットは、マッチングイベントへの参加が内定に繋がることでしょう。当然ながら、博士向けのマッチングイベントに参加している企業は、博士人材の採用を希望しています。博士学生側の希望と、企業側の希望がマッチすれば、その後は一般エントリーとは異なる「特別なルート」で採用が進むこともあります。

実際、就活マッチングイベントを通じて内定を得た博士学生は少なくありません。

就活マッチングイベントで内定を獲得するための準備やヒント

博士学生が就活マッチングイベントを最大限活用して内定に繋げるためには、「事前準備」と「当日の積極性」が重要です。以下、3つのポイントに分けて解説します。

①参加企業のリサーチと理解

まず、マッチングイベントに参加する企業の事前リサーチは欠かせません。自分の専門分野に関連するプロジェクトや技術ニーズがある企業をピックアップし、自分の研究成果がどのように貢献できるかプレゼンできるようにしておきましょう。

②自己PRの準備

また、短い時間で自己PRできるよう、簡易的なポスター資料や研究概要書などを用意しておくのも良い方法です。当日に利用できるかどうかは別として、自分の頭の中を整理し、緊張しすぎずにイベントに臨めるという効果もあります。

ここでひとつ注意したいのは、希望企業だけにフォーカスした資料にしないことです。ある程度、自分の希望キャリアの方向性を示すことは必要ですが、なるべく多くの企業とのマッチング機会を生み出す内容にすると良いでしょう。前述の通り、マッチングイベントの最大のメリットは「もともと考えていなかった企業との出会い」だからです。なお、効果的な自己PR資料については「●」という記事で詳しく解説しています。

③マッチングイベント当日の姿勢

最後に、マッチングイベント当日は積極的な姿勢で臨むことが重要です。人気企業のブースは混雑することもあり、想定通りに時間を確保できないこともあります。一歩でも早く、少しでも多く、マッチングの機会を自ら獲得するつもりで動くと、採用担当側の印象に残るかもしれません。

もちろん、自分をアピールするだけでなく、企業のビジョンや、今後のプロジェクトの方向性など、なるべく具体的な質問を投げかける等、相互のコミュニケーションを意識することも重要です。自分のことを企業に知ってもらうだけでなく、博士が企業を知るチャンスとしても有効に活用しましょう。そこで得られた相互理解が、いずれ内定に繋がるかもしれません!

博士向け就活マッチングイベントに参加する企業の例

マッチングイベントに参加する企業は、中小企業やベンチャー企業だけではありません

分野に関わらず、博士学生を求める幅広い企業が参加しています。例えば、過去に「博士情報エンジンwakate」で開催したオンラインマッチングイベントには、以下のような企業が参加しています。

IHI、キリンホールディングス、コニカミノルタ、日本入試センター、電力中央研究所、旭化成、リバネス、ワールドインテック、情報通信研究機構、富士フイルム、産業技術総合研究所、クレハ、神戸製鋼所、住友化学、知能情報システム、TDSE、MiDATA(※敬称略)

これらの企業の採用担当者と直接コンタクトを取れる、またとない機会です!

なお、ここ数年はオンラインでのマッチング会が主流でしたが、最近は少しずつオフラインの対面型イベントも開催されています!

就活マッチングイベントは、大々的に告知されることは少ないです。博士学生自ら、積極的に情報を取りに行きましょう。なお、オンラインマッチング会開催報告のページには参加学生の声も載っています。参考にしてみてください。

まとめ

今回の記事では、博士向けの就活マッチングイベントについて解説しました。

博士向けマッチングイベントは、専門性や実績をアピールしながら企業との接点を増やし、通常のエントリーとは異なるルートから内定を目指せる貴重な機会になっています。

また、「自分が思ってもいなかった企業と、実は親和性が高かった」という運命的な出会いのきっかけになることも多いです。

マッチングイベント参加時には、事前に企業リサーチを行い、自分の研究やスキルが企業の求める人材像とどう結びつくかを把握し、簡潔にアピールできるようにしておくとよいでしょう。

博士向け就活マッチングイベントを活用し、自分のキャリアを決める大きなきっかけにしましょう!

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